© Copyright Microsoft Corporation, 2004. All rights reserved.
SQL Server ドキュメント チームは、技術サポートの質問にお答えすることはできませんが、この Readme ドキュメントに関する提案やコメントは歓迎します。以下のリンクを使用して、電子メール フィードバックを直接お送りください。フィードバックは、すべて英語でお願いします。
このドキュメントに関するフィードバックを送信するには、次のリンクをクリックしてください。 フィードバックの送信。
1.0 はじめに
1.1 必要なシステム
1.2 SP4 にアップグレードする前に
1.3 SQL Server 2000 の現在のバージョンの確認
1.4 SP4 に関する追加情報
2.0 SQL Server 2000 SP4 (64-bit) の検索およびダウンロードの場所
2.1 正しい言語の選択
2.2 SQL Server 2000 SP4 (64-bit) のダウンロード
2.3 データベース コンポーネント SP4 ファイルの展開
3.1 SP4 インストールの準備
3.2 SQL Server 2000 SP4 (64-bit) のインストール
3.6 レプリケーション トポロジ内の読み取り専用データベースまたはファイル グループへの SP4 の適用
3.7 SP4 のアンインストール
3.8 SP4 の再適用
4.0 その他のインストールの情報
4.1 自動インストール
5.0 特記事項
5.1 データベースの機能強化
5.3 レプリケーションの機能強化
5.4 エラー報告
5.5 サービス性の機能強化
この Readme ファイルでは、Microsoft® SQL Server™ 2000 Service Pack 4 (SP4) を使用して、SQL Server 2000 (64bit) の既存のインスタンスをアップグレードする方法について説明します。
SP4 の一般的なインストール手順は次のとおりです。
SQL Server 2000 SP4 は 4 つの部分に分かれています。
注意 これは、SQL Server 2000 (64-bit) 用の最初の Service Pack です。
この Service Pack を使用して 32 ビットの SQL Server 2000 コンポーネントをアップグレードすることはできません。SQL Server 2000 の 32 ビットのコンポーネントをアップグレードするには、SQL Server 2000 データベース コンポーネント、SQL Server 2000 Analysis Services、および SQL Server 2000 Desktop Engine をアップグレードする SP4 の他の部分を入手する必要があります。SP4 の 32 ビットのコンポーネントをインストールする方法については、別々の Readme ファイルで説明しています。32 ビットのコンポーネントおよび Readme ファイルは、Microsoft Web サイト で入手できます。
ここでは、必要なシステムの変更点、および SQL Server 2000 SP4 (64-bit) のインストールに影響するシステム関連の問題について説明します。SQL Server 2000 (64-bit) に必要なシステムの一般的な情報については、Microsoft Web サイトを参照してください。
Windows Server 2003 の [デバイス: 署名されていないドライバのインストール時の動作] ローカル セキュリティ ポリシーが [インストールを許可しない] に設定されている場合、SQL Server 2000 (64-bit) データベース コンポーネントのインスタンス上に SP4 をインストールすることはできません。
注意 [インストールを許可しない] はこれらのセキュリティ ポリシーの既定の設定ではありません。
セキュリティ ポリシーを設定するには、次の操作を行います。
SQL Server 2000 (64-bit) のインスタンスがアプリケーションによって使用されている場合は、SP4 にアップグレードする前に、そのアプリケーションに適用される SQL Server 2000 アップグレードの考慮事項があるかどうかをアプリケーションのプロバイダに問い合わせてください。
SP4 は、SQL Server 2000 (64-bit) の 1 つ以上のインスタンスに対して適用できます。
SP4 を使用して既存の SQL Server 2000 インスタンスをアップグレードする前に、後で必要になる場合に備えて、インスタンスを以前の状態に戻す方法を計画しておくことをお勧めします。SQL Server 2000 SP4 をインストールすると、保守の目的でシステム テーブルに変更が加えられます。レプリケーション トポロジのメンバであるユーザー データベースとディストリビューション データベースもアップグレードされます。これらの変更の性質から、SP4 は簡単には削除できません。SP4 をインストールする前に実行していたビルドに戻すには、まず SQL Server 2000 データベース エンジンのインスタンスをアンインストールし、その後 SQL Server 2000 (64-bit) のインスタンスを再インストールする必要があります。次に、修正プログラムを適用していた場合は、その修正プログラムをインスタンスに再適用する必要があります。
重要 システムを SP4 以前の状態に安全に復元するには、SP4 をインストールする直前に master、model、および msdb の各データベースのバックアップを作成しておく必要があります。詳細については、「3.1 SP4 インストールの準備」を参照してください。
詳細については、「3.2 SQL Server 2000 SP4 (64-bit) のインストール」を参照してください。
Analysis Services SP4 を使用して既存の Analysis Services インスタンスをアップグレードする前に、後で必要になる場合に備えて、インスタンスを以前の状態に戻す方法を計画しておくことをお勧めします。Analysis Services SP4 をインストールする前に実行していたビルドに戻すには、まず Analysis Services SP4 のインスタンスをアンインストールしてから、Analysis Services のそのインスタンスを再インストールする必要があります。次に、以前の SQL Server 2000 の Service Pack を実行していたか、または修正プログラムを適用していた場合は、その Service Pack および修正プログラムをインスタンスに再適用する必要があります。
SP4 SQL Server Analysis Services 適用以前の状態に後で戻す場合に備えるには、レジストリ キー HK_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\OLAP Server およびそのサブキーをすべてバックアップしてから、Analysis Services SP4 をインストールする必要があります。Analysis Services SP4 を後でアンインストールするときに、このレジストリ キーを削除し、バックアップから SP4 適用以前のキーに復元する必要があります。
詳細については、「3.7 SP4 のアンインストール」を参照してください。
SQL Server 2000 SP4 Setup はレプリケーション トポロジのメンバであるユーザー データベースをアップグレードします。このアップグレード要素は、レプリケートされたユーザー データベースのバックアップおよび復元機能に影響する場合があります。SQL Server 2000 (64-bit) SP4 をインストールする前に、レプリケーション データベースとファイル グループが書き込み可能になっていて、Setup を実行するユーザー アカウントがそのデータベースに権限を持っていることを確認してください。
レプリケーション トポロジに含まれるデータベースへの SP4 適用の詳細については、「3.5 レプリケートされているサーバーへのインストール」を参照してください。
SP4 Setup が書き込み可能ではないユーザー データベースまたはファイル グループを検出した場合は、以下のことを行います。
書き込み可能ではない 1 つ以上のデータベースとファイル グループを検出しました。
Setup ログに一覧表示された一部のデータベースがレプリケーション トポロジのメンバではない場合は、この警告を無視できます。Setup ログに一覧表示された書き込み可能ではないデータベースのいずれかがレプリケーション トポロジのメンバである場合は、これらのデータベースを書き込み可能にし、SQL Server 2000 (64-bit) のインスタンスに SP4 Setup を再適用する必要があります。
注意 このメッセージは自動インストールには影響しません。自動インストールの詳細については、「4.1 自動インストール」を参照してください。
データベースを書き込み可能にすることに関する詳細については、「3.6 レプリケーション トポロジ内の読み取り専用データベースまたはファイル グループへの SP4 の適用」を参照してください。SP4 の再適用の詳細については、「3.8 SP4 の再適用」を参照してください。
SP4 にアップグレードする前にログ配布を削除する必要はありません。ただし、そのデータベースがレプリケーション パブリッシャであるデータベースにログを配布している場合は、以下のことを実行する必要があります。
USE master
GO
EXEC sp_vpupgrade_replication
GO
パブリケーション データベースにログを配布しているすべての書き込み可能ではないデータベースをオフラインにしないで SP4 を適用すると、次のエラー メッセージが表示されます。
スクリプト実行エラー : sp_vpupgrade_replication (1)
このエラーが表示される場合は、前の手順に従います。
注意 Setup は、インストール中に読み取り専用のデータベースと、オフラインまたは問題のあるデータベースを区別しません。インストール中にこれらのうちのいずれかの状態にあるレプリケーション データベースまたはファイル グループが存在し、レプリケーション トポロジに関連している場合は、データベースを書き込み可能にした後、Service Pack を再適用する必要があります。
Setup を実行する前に、アップグレードする SQL Server 2000 (64-bit) のインスタンスのバージョンを確認します。インストールされている SQL Server 2000 (64-bit) のバージョンを確認する方法は、インストールされているものがデータベース エンジンなのかそれとも Analysis Services なのかによって異なります。
インストールされている SQL Server 2000 (64-bit) データベース コンポーネントのバージョンを確認するには、次の操作を行います。
SELECT SERVERPROPERTY('ProductLevel')
SELECT @@VERSION
SELECT SERVERPROPERTY('ProductVersion')
SQL Server 2000 バージョンとレベル | @@VERSION | Product Level |
データベース コンポーネント (64-bit) 製品版 | 8.00.760 | RTM |
データベース コンポーネント (64-bit) SP4 | 8.00.2039 | SP4 |
注意 製品をインストールした後、または以前の Service Pack をインストールした後で修正プログラムを適用した場合は、製品のバージョンがこれらの値とは異なることがあります。たとえば、@@VERSION
は、SQL Server 2000 (64-bit) にセキュリティ修正プログラム MS03-031 を適用した後、値 8.00.818 を返します。
この Service Pack で解決された問題点の一覧は、マイクロソフト サポート技術情報の文書 888799 と 888800 にあります。この文書の一覧内の各問題点は、解決された問題点が説明されているサポート技術情報の文書にリンクされています。それぞれの問題点についての情報を参照するには、サポート技術情報の各文書へのリンクをクリックしてください。
この Readme ファイルを記述している時点で利用できなかった SQL Server 2000 Service Pack 4 関連のすべての情報は、マイクロソフト サポート技術情報の文書 884525 で公開する予定です。
この Readme ファイルで言及されているサポート技術情報の文書は、マイクロソフト サポート技術情報で検索できます。
これまでに公開されたすべての SQL Server 2000 (64-bit) のセキュリティ更新が SP4 に含まれています。
2004 年 12 月 2 日以降に SQL Server 2000 の修正プログラムを受け取っている場合は、その修正プログラムは SP4 に含まれていません。SQL Server 2000 SP4 に対して同じ修正プログラムを入手する方法については、ご購入元に相談してください。
SQL Server 2000 SP4 ではサービス性が拡張されており、修正プログラムを将来アンインストールすることができます。詳細については、「5.5 サービス性の機能強化」を参照してください。
SQL Server 2000 データベース サーバーおよびパブリッシャ サーバーを SP4 にアップグレードした、またはアップグレードする予定の Microsoft SQL Server 2000 Windows® CE Edition (SQL Server CE) ユーザーと SQL Server 2005 Mobile Edition (SQL Mobile) ユーザーは、Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) サーバーのサーバー レプリケーション コンポーネントも更新する必要があります。更新されたサーバー ツール インストーラには、SQL Server CE 用と SQL Mobile 用があります。
注意 SQL Server 2000 SP3 または SP3a へアップグレードした後でサーバー レプリケーション コンポーネントを更新した場合でも、最新の SP4 固有の更新をサーバー ツール コンポーネントにインストールする必要があります。
SQL Server 2000 SP4 (64-bit) で、32 ビットの SQL Server 2000 SP4 で使用されているものと同じ内部バージョンの MSXML テクノロジを使用するようになりました。この変更により、オペレーティング システムによってインストールされる MSXML 3.0 のバージョンに対して SQL Server 2000 (64-bit) が持っていた依存関係がなくなります。
SQL Server 2000 SP4 のダウンロードと展開の準備を行う前に、後に説明されている「2.4 展開フェーズ ガイドラインのダウンロード」をお読みください。
SQL Server 2000 SP4 は以下の方法で配布されています。
SP4 の CD-ROM がある場合は、CD-ROM に収録されている自己解凍形式のファイル SQL2000-KB884525-SP4-ia64-LLL.exe を使用して、SQL Server 2000 (64-bit) のインスタンスをアップグレードできます。
注意 LLL は、言語によって異なる識別子を表しています。
ダウンロード サイトまたは SP4 の CD-ROM のいずれかから SQL2000-KB884525-SP4-ia64-LLL.exe を入手したら、このファイルを実行して SQL Server 2000 SP4 (64-bit) ファイルをコンピュータに展開できます。SQL2000-KB884525-SP4-ia64-LLL.exe により、SQL Server 2000 SP4 (64-bit) のインストールに使用できる一連のフォルダとファイルがハード ディスクに作成されます。
SQL Server 2000 Service Pack は、言語によって異なります。SQL Server 2000 (64-bit) のインスタンスをアップグレードするには、インスタンスと同じ言語の Service Pack を取得する必要があります。Service Pack は、SQL Server 2000 SP4 の CD-ROM または SP4 ファイルのダウンロードによって入手します。たとえば、日本語を使用する SQL Server 2000 (64-bit) のインスタンスをアップグレードする場合は、日本語版の SP4 をダウンロードする必要があります。
SQL Server 2000 (64-bit) のインスタンスの言語がわからない場合は、次の操作を行います。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\MSSQLServer\MSSQLServer\CurrentVersion
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Microsoft SQL Server\InstanceName\CurrentVersion
ここで InstanceName はインスタンスの名前です。
言語レジストリ値 (16 進数値) | 言語レジストリ 値 (10 進数値) | そのインスタンスの言語 |
0x00000407 | 1031 | ドイツ語 |
0x00000409 | 1033 | 英語 |
0x0000040c | 1036 | フランス語 |
0x00000411 | 1041 | 日本語 |
SQL Server 2000 SP4 (64-bit) の自己解凍形式のインストール パッケージをダウンロードするには、次の操作を行います。
データベース コンポーネント SP4 (64-bit) をインストールするには、まず SQL2000-KB884525-SP4-ia64-LLL.exe からインストール ファイルを展開する必要があります。SQL2000-KB884525-SP4-ia64-LLL.exe は、SP4 の CD-ROM から直接実行できます。ダウンロード先か CD-ROM からのコピー先のフォルダから実行することもできます。
データベース コンポーネント SP4 (64-bit) ファイルを展開するには、次の操作を行います。
インターネットから SP4 インストール ファイルをダウンロードして展開するときは、以下のガイドラインに従ってください。
注意 Service Pack をネットワーク共有ディレクトリに展開するときは、そのフォルダへのパスを SQL2000-KB884525-SP4-ia64-LLL.exe を実行したフォルダに対する相対パスとして指定します。
SP4 インストール ファイルには、更新されたセットアップ ドキュメントが含まれていて、SP4 のセットアップ中に [ヘルプ] をクリックすることによってアクセスできます。このセットアップ ドキュメントは、既にコンピュータにインストールされているバージョンの SQL Server 2000 (64-bit) Books Online を更新しません。更新された SQL Server 2000 (64-bit) SP4 のセットアップ ドキュメントにアクセスするには、Setupsql.chm ファイルを実行します。Setupsql.chm は、SP4 CD-ROM のルート フォルダ、ローカル フォルダ、または展開した Service Pack ファイルを含むネットワーク共有にあります。
注意 SQL Server 2000 (32-bit) 用の更新された Books Online ドキュメントは、Microsoft Web サイト から一連のダウンロード可能ファイルとして入手できます。
SQL Server 2000 SP4 (64-bit) をインストールするには、ここの案内に従います。SP4 をインストールする前に、「1.0 はじめに」の内容を再確認してください。SP4 をインストールする手順は、次のようになります。
SP4 をインストールする前に、以下を実行する必要があります。
SP4 をインストールする前に、master、msdb、および model の各データベースをバックアップします。SP4 のインストールにより、master、msdb、および model データベースには変更が加えられ、SP4 以前のバージョンの SQL Server とは互換性がなくなります。SP4 を使用しないで SQL Server 2000 (64-bit) を再インストールする必要が生じる場合は、これらのデータベースのバックアップが必要になります。
SP4 はレプリケーション トポロジのメンバであるユーザー データベースだけに更新を行いますが、ユーザー データベースのバックアップも検討することをお勧めします。
SP4 をインストールして Analysis Services のインスタンスをアップグレードする前に、Microsoft Analysis Services\Data フォルダのコピーを作成することにより、Analysis Services データベースをバックアップしてください。特に指定しない限り、Microsoft Analysis Services\Data フォルダは、C:\Program Files フォルダに作成されます。SP4 をインストールする前にリポジトリを格納しているデータベースをバックアップします。既定では、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL$instancename\Data\OLAPRepository.mdf にあります。ここで、$InstanceName は SQL Server 2000 の名前付きインスタンスのインスタンス名です (既定のインスタンスの場合は省略)。また、Analysis Server のレジストリ エントリを保存します。
Windows 2000 を実行しているコンピュータのレジストリ設定をバックアップするには、次の操作を行います。
Windows XP または Windows 2003 を実行しているコンピュータのレジストリ設定をバックアップするには、次の操作を行います。
Analysis Services リポジトリを SQL Server に移行している場合は、SP4 をインストールする前にリポジトリを保持しているデータベースをバックアップします。
詳細については、「3.7 SP4 のアンインストール」を参照してください。
master データベースおよび msdb データベースに対して自動拡張オプションが設定されていない場合、少なくとも 500 KB の空き領域が必要です。空き領域が十分にあることを確認するには、master データベースまたは msdb データベースで sp_spaceused システム ストアド プロシージャを実行します。いずれかのデータベースの未割り当て領域が 500 KB 未満の場合は、データベースのサイズを大きくしてください。詳細については、SQL Server Books Online の「データベースの拡張」を参照してください。
master データベースと msdb データベースで自動拡張オプションが選択されていて、ドライブに十分な空き領域がある場合は、前の領域確認手順を省略できます。
SQL Server 2000 で自動拡張オプションが設定されていることを確認するには、32 ビットのコンピュータ上で SQL Server Enterprise Manager を開き、更新する SQL Server の 64 ビットのインスタンスに接続し、データベースのアイコンをマウスの右ボタンでクリックして、[プロパティ] をクリックします。[ファイルの自動拡張] チェック ボックスがオンになっていることを確認します。
MSSQLServer および MSSQLServerOLAPService サービスのスタートアップの種類が無効に設定されていると、セットアップに失敗することがあります。
サービス アカウントを確認して有効にするには、次の操作を行います。
SP4 をインストールする前に、アップグレードする SQL Server のすべてのインスタンスに接続するすべてのアプリケーションおよびサービスを停止する必要があります。これには、コントロール パネル、プログラムの追加と削除、SQL Server 2000 Reporting Services、および SQL Server 2000 Notification Services などがあります。
SP4 は、アプリケーションとサービスを最初にシャットダウンしなくても適用できます。Setup により、MSSQLServer、SQLServerAgent、および MSSQLServerOLAPService サービスが停止されます。他のアプリケーションとサービスを停止する必要があると Setup によって判断されると、停止する必要があるアプリケーションとサービスを一覧表示する警告ダイアログ ボックスが表示されます。これらのアプリケーションとサービスを停止した後で、[再試行してください] をクリックします。アプリケーションやサービスを停止できない場合は、[続行] をクリックします。Setup は続行しますが、Setup が完了した後でコンピュータの再起動が必要になる場合があります。[キャンセル] をクリックすると、Setup がキャンセルされます。
Setup により SQL Server サービス マネージャが停止される場合があります。サービス マネージャが停止された場合は、Setup が完了した後で SQL サービス マネージャを再起動する必要があります。
注意 停止する必要があるアプリケーションとサービスが Setup により常に判断されるわけではありません。SQL Server SP4 (64-bit) をインストール後に、コンピュータの再起動を必要とする可能性を減らすことは可能です。この可能性を減らすには、SP4 をインストールする前に、コントロール パネルなど、SQL Server (64-bit) に接続するアプリケーションとサービスをすべて停止する必要があります。
クラスタ環境では、サービスを停止できません。詳細については、「3.4 フェールオーバー クラスタへのインストール」を参照してください。
SQL Server 2000 SP4 (64-bit) をインストールするには、以下のいずれかの場所から Setup.exe を実行します。
これによって Setup インストール プロセスが開始されます。
SP4 (64-bit) では自動インストールをサポートしています。詳細については、「4.1 自動インストール」を参照してください。
選択したオプションに応じて、セットアップ中に以下のインストール ダイアログ ボックスが表示されます。
Setup が完了すると、コンピュータの再起動が要求されることがあります。「3.1.5 SP4 Setup 実行前のサービスとアプリケーションの停止」に、再起動が必要な場合のガイドラインが説明されています。システムの再起動後 (または、再起動が要求されないで Setup が完了した後)、コントロール パネルの [サービス] アプリケーションを使用して、Service Pack の適用を行う前に停止したすべてのサービスが実行されていることを確認します。このようなサービスには、DTC と Microsoft Search サービス、またはインスタンス固有のサービスなどがあります。
Service Pack のセットアップを実行する前に終了したアプリケーションを再起動します。
この時点で、アップグレードした master、msdb、および model の各データベースもバックアップすることをお勧めします。
以下は、フェールオーバー クラスタの一部である SQL Server 2000 (64-bit) コンポーネントだけに適用されます。
フェールオーバー クラスタにこの Service Pack をインストールするには、次の操作を行います。
注意 クラスタ リソースがオフラインになると、クラスタサービスにより従属リソースもオフラインになります。
注意 Setup はフェールオーバー クラスタ ノードの再起動を必要とすることがあります。この再起動により、Setup 実行中に使用中だったファイルを、更新されたファイルに置き換えます。
フェールオーバー クラスタへの SP4 のインストール方法に関する詳細については、サポート技術情報の文書 811168 を参照してください。フェールオーバー クラスタのリモート認証により自動モードで SP4 をインストールする方法の例については、「4.1 自動インストール」を参照してください。
フェールオーバー クラスタ内のノードを再構築する必要がある場合は、以下の手順を実行します。
以下は、レプリケーション トポロジの一部である SQL Server 2000 の既存のインスタンスだけに適用されます。
注意 ほとんどの場合、特にマージ レプリケーションの場合、ディストリビュータとパブリッシャは同じサーバー上に存在するので、同時にアップグレードされます。
以下の場合には、システムを停止し (つまり、すべての更新を中止し)、すべてのサーバーを同時にアップグレードする必要があります。
以下の表は、サブスクライバで更新できるパブリケーションのパブリッシュとサブスクライブを両方行うサーバーを示しています。上で説明したように、サブスクライバでの更新を許可するトポロジでは、ディストリビュータ、パブリッシャ、サブスクライバの順にアップグレードする必要があります。この順序により、マージ パブリケーションではサーバー A を最初にアップグレードする必要があり、更新サブスクライバを使用するトランザクション パブリケーションではサーバー B を最初にアップグレードする必要があります。このような場合には、システムを停止し、サーバーを同時にアップグレードする必要があります。
サーバー A | サーバー B |
---|---|
マージ レプリケーションのパブリッシャ/ディストリビュータ | マージ レプリケーションのサブスクライバ |
更新を伴うトランザクション レプリケーションのサブスクライバ | 更新を伴うトランザクション レプリケーションのパブリッシャ/ディストリビュータ |
読み取り専用のトランザクション パブリケーションでは、パブリッシャ/ディストリビュータをアップグレードする前にサブスクライバをアップグレードできるので、この例ではサーバー A を最初にアップグレードできます。
サーバー A | サーバー B |
---|---|
マージ レプリケーションのパブリッシャ/ディストリビュータ | マージ レプリケーションのサブスクライバ |
読み取り専用トランザクション レプリケーションのサブスクライバ | 読み取り専用トランザクション レプリケーションのパブリッシャ/ディストリビュータ |
以下は、レプリケーション トポロジの一部である SQL Server 2000 (64-bit) インスタンスだけに適用されます。
書き込み可能ではないデータベースまたはファイル グループが存在するとき、Setup プログラムは以下のメッセージを表示します。
書き込み可能ではない 1 つ以上のデータベースとファイル グループを検出しました。
一般的には、このメッセージを無視し、セットアップを続行します。ただし、Setup ログに一覧された書き込み可能ではないデータベースのいずれかがレプリケーション トポロジのメンバである場合は、これらのデータベースを書き込み可能にし、SQL Server 2000 のインスタンスに SP4 Setup を再適用する必要があります。
注意 このメッセージは自動インストールには影響しません。自動インストールの詳細については、「4.1 自動インストール」を参照してください。
Setup は、インストール中に書き込み可能ではないデータベースと、オフラインまたは問題のあるデータベースを区別しません。レプリケーション トポロジ内のデータベースまたはファイル グループが書き込み可能ではない場合は、Service Pack を再適用してこのデータベースをアップグレードする必要があります。データベースをオンラインにすることに関する詳細については、SQL Server Books Online の「データベースをアタッチまたはデタッチする方法」を参照してください。また、問題のあるデータベースの診断の詳細については、SQL Server Books Online の「サーバーおよびデータベースに関するトラブルシューティング」を参照してください。
読み取り専用データベースに SP4 を適用するには、次の操作を行います。
ALTER DATABASE
ステートメントを使用して読み取り専用データベースを書き込み可能にします。
ALTER DATABASE database SET READ_WRITE
ALTER DATABASE
ステートメントを使用してデータベースを再度読み取り専用にします。
ALTER DATABASE database SET READ_ONLY
読み取り専用ファイル グループに SP4 を適用するには、次の操作を行います。
ALTER DATABASE
ステートメントを使用して読み取り専用ファイル グループを書き込み可能にします。
ALTER DATABASE Database
MODIFY FILEGROUP filegroup_name READWRITE
ALTER DATABASE
ステートメントを使用してファイル グループを再度読み取り専用にします。
ALTER DATABASE Database
MODIFY FILEGROUP filegroup_name READONLY
ALTER DATABASE の詳細については、SQL Server Books Online の「ALTER DATABASE」を参照してください。SP4 の再適用の詳細については、「3.8 SP4 の再適用」を参照してください。
データベース コンポーネント SP4 を削除するには、ここの案内に従います。
SP4 を適用する以前のバージョンに SQL Server 2000 コンポーネントを戻すことができるようにするには、SP4 をインストールする前に master、msdb、および model データベースをバックアップしておく必要があります。詳細については、「3.1 SP4 インストールの準備」を参照してください。
レプリケーションに関係しているデータベースが存在する場合は、パブリッシュを無効にする必要があります。
パブリッシュを無効にするには、次の操作を行います。
SQL Server 2000 を SP4 を適用する以前のバージョンに戻すには、次の操作を行います。
警告 SQL Server 2000 を SP4 以前のバージョンに戻すと、SP4 の適用後に master、msdb、および model データベースに対して行われたすべての変更が失われます。
以下は、すべてのコンポーネントに適用されます。
以下の場合に、SP4 を再適用する必要があります。
SP4 を再適用するには、「3.0 Service Pack のインストール」の手順に従います。
ここでは、特殊な場合にのみ適用される Service Pack インストールのその他の考慮事項について説明します。
SP4 は、SQL Server 2000 (64-bit) の 1 つ以上のインスタンスに対し、自動モードで適用できます。自動セットアップは、特定のセットアップ オプションを指定するコマンド ライン パラメータを使用して、コマンド プロンプトから実行します。/quiet パラメータにより [セットアップ] ダイアログ ボックスが表示されなくなり、自動インストールが可能になります。以下の手順は、一般的な自動モードのシナリオで SP4 パッケージをインストールするコマンド プロンプト構文です。組織のニーズに合わせてこれらの例を変更し、テストしてください。
SQL Server 2000 (64-bit) の対象インスタンスすべてに対して自動モードで SP4 をインストールするには、次の操作を行います。
setup.exe /quiet /allinstances
SQL Server 2000 (64-bit) の既定のインスタンスに対して自動モードで SP4 をインストールするには、次の操作を行います。
setup.exe /quiet /instancename=MSSQLServer
指定した SQL Server 2000 (64-bit) インスタンスに対して自動モードで SP4 をインストールするには、次の操作を行います。
setup.exe /quiet /instancename=<instance_name>
注意 <instance_name> にインストール先のインスタンスを指定します。
フェールオーバー クラスタの SQL Server 2000 (64-bit) の対象インスタンスすべてに対して自動モードで SP4 をインストールするには、次の操作を行います。
setup.exe /quiet /allinstances /user=<user> /password=<password>
user はクラスタのすべてのノードに接続するために使用するログイン、password は指定したログイン用のパスワードです。
セキュリティ上の注意 クラスタで自動セットアップを実行する必要がある場合は、ログイン資格情報を実行時に指定してください。このパスワードをスクリプト ファイルに格納する必要がある場合は、不正なアクセスを防止するためにファイルをセキュリティで保護してください。
SQL Server 認証を使用して自動モードで SP4 をインストールするには、次の操作を行います。setup.exe /quiet /allinstances /sapwd=<sa_password>
sa_password は、sa アカウントのパスワードです。
セキュリティ上の注意 SQL Server 認証を使用して自動セットアップを実行する必要がある場合は、sa ログインのパスワードを実行時に指定してください。このパスワードをスクリプト ファイルに格納する必要がある場合は、不正なアクセスを防止するためにファイルをセキュリティで保護してください。ブランクの sa パスワードは使用しないでください。
SP4 をインストールせずにすべての SQL Server 2000 (64-bit) インスタンスを列挙するには、次の操作を行います。
setup.exe /reportonly
自動インストールに関して以下の考慮事項があります。
ここでは、データベース コンポーネント SP4 の適用後に発生する可能性のある問題点と、SP4 を実行すると利用できる新機能について説明します。これらの問題点に当てはまるのは、以前のバージョンの SQL Server 2000 からアップグレードするために Service Pack を実行する場合です。ここでは、SP4 で提供される問題点の解決について、すべて説明するわけではありません。解決された問題点の完全な一覧については、マイクロソフト サポート技術情報の文書 888799 および 888800 を参照してください。
この Readme ファイルを記述している時点で利用できなかった SQL Server 2000 Service Pack 4 関連のすべての情報は、マイクロソフト サポート技術情報の文書 884525 で公開する予定です。
以下の機能強化は、データベース コンポーネント SP4 がインストールされた SQL Server 2000 インスタンスに適用されます。
(SP4 からの機能)
SP4 では、ネットワーク パケット サイズのオプションの最大値 (sp_configure を使用して設定) は 32767 です。これは、以前の最大値 65,536 の半分より少し小さな値です。アップグレード中に、32,767 より大きい既存の値は自動的に 32,767 に調整されます。スクリプトが sp_configure を使用して 32,767 より大きく、65,536 以下の値を設定しようと試みた場合も、値は 32,767 に設定されます。ネットワーク パケット サイズを 65,536 より大きい値に設定するとエラーになります。
(SP4 からの機能)
SP4 には、大きな IN リストまたは多数の OR 句を使用した述語を含むクエリに影響を与える、SQL Server オプティマイザの動作の変更が含まれています。具体的には、この変更 (SQL Server 2000 修正プログラム 789 で導入) は、以下のものを含むクエリ (または、以下のものを含む同等の式を使用した書き換えが可能なクエリ) に影響します。
非常に大容量のメモリを備えている、並列処理の少ないシステムでこのようなクエリを実行すると、オプティマイザによって低パフォーマンスのクエリ プランが選択される場合があります。オプティマイザの動作の変更を優先させるため、この Service Pack ではトレース フラグ 9060 が提供されています。既定では、トレース フラグ 9060 はオフです。トレース フラグがオンの場合、修正プログラム 789 以前の SP3 の動作が有効になります。トレース フラグがオンのときに エラー 701 (システム メモリ不足) が発生する場合は、IN リスト内の値のために一時テーブルまたはテーブル変数を使用してクエリを書き換えることを検討してください。数値の範囲については、BETWEEN 句、または > (より大きい) 演算子や < (より小さい) 演算子を使用してください。トレース フラグの詳細については、SQL Server Books Online の「Trace Flags (トレース フラグ)」を参照してください。
(SP4 からの機能)
SP4 では、Banyan VINES、Multiprotocol、AppleTalk、および NWLink IPX/SPX ネットワーク プロトコルがサポートされています。ただし、これらのプロトコルは SQL Server 2005 以降のリリースではサポートされない予定です。これに応じて計画を立ててください。
ここでは SP4 に含まれる SQL Server 2000 Analysis Services の機能強化について説明します。
(SP4 からの機能)
SP4 では、セキュリティ、メタ データ、およびメモリ管理の制御を向上させるため、新たに 7 つのレジストリ エントリが導入されました。この新しいレジストリ エントリの使用方法の詳細については、Microsoft Web サイトにあるホワイト ペーパー「Registry Entries for Microsoft SQL Server 2000 Analysis Services」(英語) を参照してください。
ここでは、SP4 に含まれる SQL Server 2000 レプリケーションの機能強化について説明します。
(SP4 からの機能)
レプリケーション ActiveX® コントロール (sqlinitx.dll、sqldistx.dll、sqlmergx.dll、および replerrx.dll) は "スクリプトを実行しても安全" および "初期化しても安全" とは指定されなくなりました。これらのコントロールのセキュリティと機能の動作は SP3 以降変更されていませんが、セキュリティ標準を満たすためにセキュリティ指定が変更されました。これらの変更は、Web ページに埋め込まれたレプリケーション ActiveX コントロールを起動するアプリケーションに影響を与える可能性があります。
(SP4 からの機能)
sp_addmergearticle の呼び出し時に、新しいパラメータ @compensate_for_errors を指定できます。このパラメータは、同期中にエラー (制約違反など) が発生した場合に補正動作を行うかどうかを指定します。TRUE (既定値) に設定されている場合、あるノードで同期中に適用できなかった変更があると、他のすべてのノードでその変更を取り消す補正動作が生じます。これは、場合によっては望ましい動作ですが、問題になる場合もあります。たとえば、正しく設定されていない 1 つのサブスクライバがエラーを生成すると、パブリッシャと他のすべてのサブスクライバで変更が取り消される可能性があります。
値として FALSE を指定すると、補正動作は無効になりますが、エラーはまだログに記録されており、以後のマージでは引き続き変更の適用が試みられます。影響を受ける行のデータの一貫性が失われたように見えますが、エラーに対処するとすぐに変更を適用できるので、データの一貫性が保持されます。
注意 アーティクルのソース テーブルが別のパブリケーションで既にパブリッシュされている場合は、両方のアーティクルについて @compensate_for_errors の値が同じであることが必要です。
(SP4 からの機能)
以前のリリースでは、トランザクション パブリケーションの ID 列は、ID プロパティが設定されずに int のような基本データ型としてレプリケートされていました。この手法は、サブスクライバでの挿入を許可しないアプリケーションには適切です。SQL Server 2000 SP4 では、トランザクション パブリケーションのために新しいスキーマ オプション (0x4) が導入されています。このオプションは、ID 列を ID 列としてレプリケートするために使用されます。これは、双方向のレプリケーションやサブスクライバを warm-standby サーバーとして使用する場合を含めて、多くの場合に役立ちます。これらの場合、サブスクライバで挿入の発生が可能で、挿入によって ID 列の値が増分されることになります。
ID 列を ID 列としてレプリケートする必要があることを指定するには、次の操作を行います。
USE Northwind
GO
DBCC CHECKIDENT ('Employees', RESEED, 1000000)
GO
詳細については、SQL Server Books Online の「DBCC CHECKIDENT」を参照してください。
ここでは、この Service Pack に含まれる SQL Server 2000 (64-bit) のエラー報告の機能強化について説明します。
SQL Server 2000 (64-bit) SP4 のセットアップ中に、選択した SQL Server 2000 (64-bit) インスタンスのいずれかのエラー報告が無効になっていると、SP4 によってエラー報告ダイアログが表示されます。SP4 のエラー報告機能を有効にすると、SQL Server 2000 (64-bit) の選択したすべてのインスタンスに対してエラー報告が有効になります。
SP4 Setup の完了後、それぞれの SQL Server インスタンスに対してエラー報告を無効にできます。
SQL Server Enterprise Manager または分析マネージャを使用してエラー報告を無効にするには、次の操作を行います。
Microsoft SQL Server のエラー報告の詳細については、SQL Server 2000 (64-bit) Books Online の「エラー報告 (64 ビット)」を参照してください。
(SP4 からの機能)
SQL Server 2000 SP4 には、サービス機能が新たに導入されています。これにより、Windows XP と Windows Server 2003 上で実行されている SP4 以上のバージョンの SQL Server 2000 に適用された修正プログラムをアンインストールできます (この同じ機能は、SQL Server 2000 (64-bit) にも搭載されていましたが、追加の修正プログラムを適用しないと利用できませんでした)。